額装事例紹介:フィレンツェの風景作品

今回額装したのは、1650年頃のフィレンツェの街並みを描いた、アンティークな雰囲気漂う作品です。
この作品は、紙をリネン(麻布)に裏打ちし、分割された状態で構成されている、近年では珍しい形式のものです。
紙がリネンに貼られていることで、折りたたんでの保管や持ち運びが可能になっています。
このような形式は、かつてヨーロッパで地図や大型図版を保存・携帯するためによく用いられた技法で、「リネンバック(Linen-backed)」と呼ばれています。
作品が分割されていることで、折っても直接折り目が紙に入らない工夫が施されており、当時の保存・携行性を重視した知恵が感じられる貴重な形式です。
使用したフレームについて
今回使用したフレームは、アンティーク作品との相性が非常に良い「8200 / ホワイトゴールド」です。
このフレームは、広めの縁幅と洋風の彫刻が特徴的で、重厚感と華やかさを併せ持つデザインで、アンティーク調の作品をより品良く引き立てる額装に仕上がります。
額装のポイント
本作品はリネンに裏打ちされているため、布地の伸縮や変形によって作品の形が完全な直角ではありません。
そのため、今回は次のような手順で額装を行いました。

- 少し小さめの板を用意し、額装用両面テープを貼る

- 作品をその板に合わせて固定し、余った布地は裏側に折り込んで接着

- 作品全体の形を整えた上で裏打ちされた板ごと額装

この方法によって、布地の不規則な形状にも対応し、美しく仕上げることが可能になります。
使用商品一覧
まとめ
布地の作品は、そのまま額に収めるのが難しい素材です。
特に、リネンバックやスカーフのようなものは、布の伸縮や形状の不安定さから、背面にしっかりと固定する工程が欠かせません。
実際、「スカーフと同じサイズの額縁を購入したけれどうまく収まらない」というご相談を多くいただきます。
そのため、布地作品の額装では、背面処理や寸法調整の工程を慎重に行うことが非常に重要です。
当店では、こうした特殊な素材や構造の作品にも対応した額装方法をご提案していますので、どうぞお気軽にご相談ください。



